オンラインカジノで勝ったら税金は支払うべき?|計算方法・確定申告を解説
オンラインカジノの勝利金には納税義務が発生する場合があります。基本的にはオンラインカジノの勝利金は一時所得(臨時収入のようなもの)として扱われ、税金を支払わなければなりません。
しかし、課税対象となるかどうかは様々な要因によって左右されます。場合によっては確定申告が必要ですし、その結果として特別控除などで納税額が減る場合もあります。
この記事では、それらオンラインカジノに関する税金に関することをまとめ、読者の「オンカジの税金はどう処理すればいいの?」という不安を解消していきます。
- 会社員の場合は年間90万円以下の利益は申告の必要なし
- 課税金額の具体的な計算方法
- オンラインカジノの節税方法
オンラインカジノに限らず一定額以上の突発的に得た利益は課税対象であり、申告しない場合は脱税と見なされます。ご自身の収支を理解する上でも普段から稼いだ金額を記録し、申告の必要があるか確認しておくことが重要です。
8分で読める記事です
オンラインカジノでいくら勝ったら税金がかかる?
オンラインカジノの勝利金は「一時所得」に分類され、年間50万円以上稼ぐと所得税の課税対象となります。一時所得には最高50万円の特別控除額があるので、オンラインカジノで得た利益が50万円未満であれば税金はかかりません。
しかし、収入の有無によって課税対象金額が変わります。
一時所得って何?
一時所得とは、営利を目的とする継続的な活動以外から得られる、突発的な所得のことです。具体例としては懸賞や福引きの賞金、競馬や競輪の払戻金、生命保険の一時金などが挙げられます。これらの所得は通常の給与や事業収益とは異なり、偶発的に得られるため一時所得として分類され、税金の対象となります。
会社員は勝利金が90万円以上で課税対象に
サラリーマンなどの給与所得者がオンラインカジノの勝利金を得た場合、その年間収入が90万円までであれば、確定申告の必要はありません。
一時所得の課税額は「一時所得の1/2」で計算されます。そのため、20万円の2倍の40万円までであれば確定申告は不要となります。特別控除の50万円を合わせて、90万円を超えた場合は課税対象となります。
オンラインカジノしか収入がなければ146万円以上で税金がかかる
オンラインカジノ以外の収入がない無職の方の場合、一時所得が48万円までであれば、確定申告の必要はありません。
一時所得の課税額は「一時所得の1/2」で計算されます。一時所得が48万円の2倍、すなわち96万円に特別控除額の50万円を加えた146万円以内であれば確定申告は不要です。
オンラインカジノの勝利金に税金が発生するタイミング
オンラインカジノで勝った時は、お金を使うため日本の銀行口座に換金されると思います。海外のオンラインカジノアカウントから銀行口座へ送金すると、その時点で課税対象になります。
オンラインカジノの勝利金が日本のご自身の銀行に振り込まれたタイミングで、納税の義務が発生すると考えるのが良いでしょう。
競馬やパチンコで税金を払っている様子が無いのはなぜか?
ギャンブルは「一時所得」となりますので納税の義務が発生します。
「一時所得」とは、労働の対価・資産譲渡にはならない所得のことです。代表的な一時所得の例は以下のようなものが挙げられます。
・パチンコ・スロットなどの利益
・競馬・競輪などの配当金
・懸賞の賞金
・保険金や満期払戻しなどの金銭
しかし、公営ギャンブルやパチンコで税金を支払ったという話はあまり聞いたことがありません。 公営ギャンブルやパチンコでは、現地で現金で勝利金を直接受け取るため、銀行口座に記録が残りません。
つまり、勝利金を受け取ったと証明する方法がなく、見逃されている状態となっています。
オンラインカジノは入金履歴が残る
ではオンラインカジノはどうでしょうか。オンラインカジノは勝利金を銀行口座で受け取るため入金履歴が残ります。
銀行側に入出金の記録が残っているので税務署はお金の流れを把握でき、税金を支払っていないとすぐにバレることとなります。バレた場合、脱税行為を行ったとみなされ追徴課税が課せられるほか、刑事罰の対象となる場合もあります。
オンラインカジノで大勝利をした場合は、しっかりと納税しましょう。
オンラインカジノの課税金額・所得税の計算方法
オンラインカジノから得られた利益は「一時所得」と分類され、年間50万円を超えると「所得税」として課税対象になることをご理解いただけたと思います。
オンラインカジノの利益にかかる税金は以下の計算式で求められます。
オンラインカジノの勝利金にかかる税金の計算方法を分かりやすく解説していきます。
一時所得の課税対象額の計算式
まずは、「一時所得」となる金額を計算してみましょう。
・収入金額
収入金額とはオンラインカジノで勝った金額のことを指します。
・支出金額
支出金額はオンラインカジノで賭けたベッド額になります。
ここで注意しなければなりませんのは、オンラインカジノで負けた時の金額は経費にはみなされません。つまり、「勝った時に使ったベッド額」のみが経費として引くことができます。
・特別控除金額(年間最高50万円)
一時所得に設けられた控除金額です。例えば、1,000円から課税対象になり、確定申告が必要になった場合、全員が確定申告会場に来ると税務署が忙しくなってしまいます。ですから、「50万円までなら免除しましょう」という制度になります。
所得税を具体例を出して計算をしてみよう
それでは、【 給与所得が500万円の会社員Aさん 】のケースを例に所得税を計算していきましょう。まずは所得金額を求めることになるのですが、ここではシンプルに給与所得とオンラインカジノの勝金だけとします。
オンラインカジノで1年間に5回プレイした結果が以下のようなものだったとします。
回数 | ベット額 | 利益/損失 |
---|---|---|
1回目 | 5万円 | +40万円 |
2回目 | 3万円 | +20万円 |
3回目 | 10万円 | ー10万円(除外する) |
4回目 | 10万円 | +70万円 |
5回目 | 10万円 | +120万円 |
合計 | 支出金額 28万円 | 収入金額 250万円 |
ここで重要なこととして、税金は利益が出た時のみ対象となるので、3回目は除外して計算します。つまり、経費にあたる支出金額は28万円、収入金額が250万円となるわけです。
① 一時所得の課税対象額を計算する
一時所得の課税対象額とはオンカジで勝った金額のうち税金がかる金額のことです。まずは上記の表の数値を一時所得の計算式に当てはめます。
一時所得の課税額は「一時所得の1/2」で計算されるため
Aさん課税対象額は86万円ということがわかりました。20万円を超えているので確定申告が必要になります。
② 所得額を計算する
続いて、所得額を計算します。所得額は給与所得と①の一時所得の課税対象額を合算したものです。所得額が2400万円以下の場合、48万円の基礎控除があるので
所得税は超過累進課税方式なので以下の表に当てはめて決定します。
課税される所得額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円未満 | 5% | 0円 |
195万円~330万円 | 10% | 9万7500円 |
330万円~695万円 | 20% | 42万7500円 |
695万円~900万円 | 23% | 63万6000円 |
900万円~1,800万円 | 33% | 153万6000円 |
1,800万円~4,000万円 | 40% | 279万6000円 |
4,000万円以上 | 45% | 479万6000円 |
②で割り出したAさんの所得額は538万円なので税率20%、控除額42万7500円に該当します。
「64万8500円」を所得税額として申告するということになります。
なお、以上はあくまで一例に過ぎません。収入や控除によって申告額が変わる場合もあります。 税理士に任せれば正確性も高まりますので、確定申告を依頼することも検討してみましょう。
オンラインカジノで得た収益を確定申告する方法
オンラインカジノの勝利金は、確定申告という形で税務署に申告する必要があります。確定申告とは、1年間の所得に対する納税額を算出して申告し、税金を納めるまでの手続きのことを指します。
課税対象となる所得は1月1日~12月31日までで、確定申告と納税の期間は翌年の2月16日~3月15日までの1カ月間が基本となります。
確定申告をするためには、自身のオンラインカジノでの年間収支の情報を把握しておくことが重要です。面倒かもしれませんが、オンラインカジノで得た収支は記録しておきましょう。
確定申告の手順を説明していきます。
① 確定申告に必要な書類を揃える
オンラインカジノの確定申告を行うには、以下の書類をご用意ください。
・支払調書
オンラインカジノ側に連絡し、発行してもらうことができます。
・経費の領収書
オンラインカジノで勝利した際に発生した費用は、領収書を提出し経費にすることが可能です。所得が300万円以下の場合は不要。
・源泉徴収票
企業勤めの給与所得者の場合のみ、年末に企業から受け取る書類です。
② 確定申告書の作成
必要書類や申告書の作成に必要な情報が揃ったら、確定申告書に金額や必要事項を記入して作成します。
■ 確定申告書の記入の仕方
- 所得は「一時」と記入する
- 「種目・所得の生じる場所」は空欄でもOKです。もしくは種目に「懸賞金」等と記入します。明確に「オンラインカジノ」と記載するのは避けたほうがいいでしょう。
- 「収入金額」には特別控除額・50万円を引いていない、オンラインカジノの収入額を記入
- 「必要経費等」にはオンラインカジノをプレイする際にかかった費用を記入する
国税庁HPの確定申告書等作成コーナーは、金額と必要事項を入力すればネットで送信できる確定申告書が完成します。確定申告ソフトfreeeなどサービスサイトを使うのも一つの方法です。
不動産所得や事業所得がある場合、オンラインカジノでの所得の申告作成と一緒に済ませてしまうと効率良く申告ができます。
■ 会社にバレたくない方は住民税を「普通徴収」に変更
オンラインカジノでの収入が勤務先の給与に上乗せされることによって住民税が増えると、勤務先に給与以外の収入があることが知られてしまいます。
このことを会社に知られたくない場合は、給与所得以外にかかる住民税の徴収方法を「普通徴収」に変更する必要があります。
「普通徴収」とは、住民税を会社が代わりに納付するのではなく、自身で支払う方法です。
所得税の確定申告書には「給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」という項目があり、「自分で納付」にチェックを付けると住民税の納付書が自宅に届くようになります。
③ 確定申告書の提出と納付
確定申告書の記入が終わったら、申告書を所轄の税務署に提出します。住んでいる場所によって所轄の税務署が異なるため、事前に調べておく必要があります。
以下の方法で確定申告書を提出できます。
・所轄の税務署に行く
不明点は直接税務署員に質問できるので初心者におすすめです。ただ、申告期限終盤は混雑します。
・e-Taxを利用
申告書を国税庁のホームページで作成した場合のみPCやスマホから申告できます。
・所轄の税務署に郵送
確定申告書など全てプリントアウトする必要があります。消印が書類提出日とみなされます。
以上の確定申告書を提出後、納税通知書が届きます。こちらにも期限があるので、余裕を持って税金を支払うことをおすすめします。
オンラインカジノの税金を支払わなかったらどうなる?
本来納めるべき税金を正しく納めなかった場合、ペナルティが課されます。悪質と判断されると、納税額の最大40%を追加で支払うことや、刑事罰が科されることもあります。どのようなペナルティがあるのか、詳しく解説していきます。
■ 加算税
加算税とは納税の不備があったときに課されるペナルティです。不備の内容によって加算される金額が変わります。
過少申告加算税 | 確定申告を期限内に行ったが、本来の金額よりも少なく申告している場合、本来支払うべき金額より10~15%上乗せして徴収されます。 |
---|---|
無申告加算税 | 確定申告を期限内に行わなかった場合に課されるペナルティです。おおよそ15~20%の金額が加算されることがあります。 |
重加算税 | 納めるべき税金を意図的に隠蔽したり、虚偽の申告をした場合に課されます。本来納める税額の35~40%が加算されます。 |
不納付加算税 | 源泉所得税を期限までに納税しなかったときに課されます。10%を上乗せして納税する必要があります。 |
■ 利子税
期限までに納税できない時に、税務署に申告し延長が認められたら課される税金の事です。
分割して支払うため、所得税を全て支払うまで利子税が課されます。
■ 刑事罰
税務署からの督促状が届いても申告しなかった場合、悪質と判断され刑事罰が科せられる可能性があります。脱税は、追徴課税が課せられるのに加え、刑事罰も科せられます。
実際にインターネット上で競馬の馬券を購入した方が、脱税が明らかになり刑事罰を受けた事例もあります。
オンラインカジノであろうとなかろうと一時所得の確定申告は正しく申告しましょう。
オンラインカジノの節税方法3選
オンラインカジノの勝利金から発生する納税金額を可能な限り少なくするには、合法的な節税対策を施すのが効果的です。
ここではオンラインカジノで儲けたときに発生する税金に対しての節税対策を紹介していきます。
勝利金を50万円以下に抑える
オンラインカジノで獲得した利益は一次所得に該当します。
この一次所得は年間で最大50万円の特別控除を受けることができます。つまりオンラインカジノでの一年間の勝利金が50万円以下であれば、特別控除が適用されて納税の必要が無くなります。
そのためには、数百万円が発生するような大勝負をしない、ジャックポットスロットのような巨額な賞金が発生するゲームを遊ばないなどの工夫が必要です。あくまで娯楽の延長上としてオンラインカジノを楽しみ、年間の勝利金が50万円以内になるように調整してみてください。
出金額を50万円以下に抑える
日本の銀行口座へオンラインカジノの勝利金を出金する際、その金額を50万円以下にすることが有効です。
例えば、オンラインカジノで100万円勝利したとして、銀行口座への出金額を50万円にして、残りの50万円はカジノのアカウントに保有したままにします。カジノに保有した分は当然、銀行口座のトランザクション(入出金履歴)に記録されません。
つまり、所得が発生した証拠が存在せず、税金が発生する対象ともみなされなくなります。
海外の口座をつかってやり取りする
節税対策に海外のペイメント会社を活用するという方法もあります。
オンラインカジノで得た利益は、日本の銀行口座へ送金完了した時点で課税対象とされます。そのため海外の口座で資金を運用する・海外での買物の支払いに使うなどすれば、日本国内の税金の対象とならず納税する必要はありません。
ただし、あまりにも巨額な金額を海外のペイメント口座で動かすと、海外での税金の対象となる可能性も考えられます。日本国の税金の知識はもちろん、対象国の税金に関する事例も学んでおくのがベストです。
オンラインカジノの税金に関するよくある質問
こちらではオンラインカジノの税金に関するよくある質問について紹介します。
オンラインカジノの税金をバレない方法はある?
オンラインカジノの勝ち金に関する税金を節税するやり方はありますが、完全に納税から逃れる方法はありません。
最近は国税庁もAIを活用するなど納税違反を一層厳しく取り締まっていますし、銀行の送金記録が残るために脱税の証拠はほぼ確実に抑えられてしまいます。
後述の税金未納のペナルティも考えると、正しく申告をするのがセオリーといえます。
オンカジの税金未納がバレたらどうなる?
脱税とみなされ、追徴課税が課せられる場合があります。
電話でのお訊ねや督促状があるかもしれませんし、最悪のケースでは給料を含めた財産の差し押さえも行使されてしまいます。
オンラインカジノの税金未納に関して税務署からおたずねがあった場合は、下手にごまかさず誠意を持って正直に謝るなどの対応をするのがベターです。
オンラインカジノ 税金まとめ
大金を稼げるオンラインカジノですが、競馬系YouTuberが「納税が大変」と嘆くように、すべてのギャンブルの勝利金には納税義務が発生します。
大金を儲けた場合は税務署からも把握されやすいので、オンラインカジノならバレないだろうという考えは捨てたほうが賢明です。
今回の記事を参考にすれば、税金にビクビクせずにオンラインカジノを楽しめるようになります。納税対象になるかどうかは別として、きちんと日々のカジノ収支記録を付けておくことをオススメします。
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